3 modes of governance

世界の子どもを児童労働から守るNGO ACEとの理事会勉強会を4月に開催させていただきました。

ボードや一部スタッフの皆さんと、ガバナンスや理事会の役割について理解を深め、理事会の現状認識を共有しあい、今後どういう理事会でありたいかについて、対話をしました。

ACEの皆さん素敵な時間をありがとうございました!

 

理事会の理想的な姿は団体ごとにことなる

勉強会を経て、私(山本未生)振り返りの一部として、「理事会を皆で振り返る」(あるいはどんなチームや組織にもあてはまる)ことの大切さについて、少し書いてみたいと思います。

自団体の理事会やガバナンスのことに取り組む際に、理事会の役割や運営方法やガバナンスの意味などについて知識や情報を入れることはもちろん大事ですが、
それらを共通言語として活用しながら、「今の自分たちの団体の」理事会の「現状についてどう認識しているのか」を関係者が互いに共有しあうことが、重要な第一歩になります。

理事会のあり方は、正解が1つに決まっているわけではなく、求められるあり方はその団体やフェーズによって変わります。「自団体の文化、価値観、目標を考えたときに、我々が理事会から必要としているものは何だろうか?」(『非営利組織のガバナンス』日本語版に寄せて)を問うことが、理事会づくりには大切です。

そして、未来のことを話すときには、まず自分たちの現在地点を確認しあうことから始めるのが有効です。現状についてどう思っているかを共有しあうことで、認識の共通点や違いが改めて明らかになります。
ただ、現状について話す際に、そのままの状態でやると、難しい場合もあります。それは、各々が普段いる立ち位置から抜け出しにくく、なかなか全体を見渡すメタ認知までいかないからです。

 

フレームワークを使って集合的メタ認知を活性化する

そういう時に、例えばフレームワークは役立ちます。フレームワークはあくまでシンプルに特定のレンズで捉えたものだけれど、そのレンズを通して考えてみることで、思考がすっきりしたり、どこに違いや共通点があるのか捉えやすくなったりします。それに、長年使われてきているフレームワークはやはり使い勝手がよかったりします。

このフレームワークの有効な1つとして、World in Youでよく用いているのが、非営利組織のガバナンスでも出てくる、ガバナンスの3つのモードです。例えば、「私たちの理事会は、どういう時に、3つのモードをどれくらい使っているだろうか?」、「これからはどう使っていきたいだろうか?」という問いに答えあうなどです。

普段本業が忙しい理事メンバーだったり、目の前の業務で忙しいスタッフだったりと思いますが、少し立ち止まって、「私たちの現状について言葉にしあってみよう」という時間をとるだけで、発見・自信・課題意識の共有・より良い状態へのドライブなどが生まれてくることは多いと思います。

私たちWorld in You自身も、約2年前に自団体の理事会のあり方をふりかえり、役割を言語化したことで、確信をもってこれがうちの理事会の価値、と共通認識化ができてと思うし、理事や理事会のエネルギーもその価値ポイントにうまくフォーカスしているように思います。

3月末決算の団体は、理事会の改選時期が近づいているところも多いかと思います。これを機に、少し「理事会の現状認識」について皆で話してみるのもよいかもしれません。